第49章 私に隠れて浮気したの?

あんな情けない息子の姿を見て、井上誠治郎は怒りのあまり卒倒しそうになった。

自分は生涯、何一つ後ろ指さされることなく公明正大に生きてきたというのに、どうしてこうも救いようのないろくでなしが生まれてしまったのか!

考えれば考えるほど腹が立ち、井上誠治郎は本能のままに再び棒を振り上げ、親不孝な息子を容赦なく叩きのめした。

井上颯人は悲鳴を上げながら、必死に井上莉子の懐へと逃げ込む。

我が子が打たれる姿に、井上莉子の心は張り裂けんばかりだった。

彼女は息子を庇うように抱きしめ、井上誠治郎に向かって金切り声を上げた。

「打つならお打ちなさい!」

「息子を打つというのなら、先に私を殴り殺...

ログインして続きを読む